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散歩で写真を楽しもう


by hanakanji
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彼岸花撮影復習編

8月下旬から9月中旬までは草花の種類も少なく被写体探しに苦労します。そんな中、9月も中旬になると、田んぼのあぜ道や川辺、そして林の中では赤い彼岸花が目を楽しませてくれます。Vol19でも「彼岸花編」を書きましたが、1回で伝えることは無理な部分もあり、再度「彼岸花」を取り上げました。ホワイトバランス、ピクチャーコントロールなど復習しましょう。
■色かぶりに注意
快晴の日。木々が覆い茂っている林や森の中でホワイトバランスを晴天で撮ると、緑色が強くなります。
赤い彼岸花が緑色っぽく写ります。このような場所では、ホワイトバランスを変えて撮り比べるようにします。晩秋を迎えた紅葉の下では赤みの強い色調になります。
▲晴天:この彼岸花が咲いている場所は林の中です。上空は緑の木々で覆われています。快晴の日、太陽の光が葉を通って彼岸花に降り注ぐでいます。肉眼では見えませんが「晴天」モードで撮ると赤い彼岸花も緑色が強く描写されて不自然に見えます。
彼岸花撮影復習編_b0183370_1561947.jpg

▲オート:オートホワイトバランスはどのような光源の下でも白いものは白く写します。この場合も「オート」で撮ると強い緑色が消えて自然な色調になっています。
彼岸花撮影復習編_b0183370_1585058.jpg

■ピクチャーコントロールを変えてみる
赤い彼岸花だけに限らず、深紅のバラやラン、そして紫色のランなどでも、更に赤や紫を鮮やかにくしたいとビビッドや風景に設定すると、色が飽和して質感が無くなります。特に彩度が高い花ではポートレート(PT)が花びらの質感も描写されて効果的です。
【スタンダード】
彼岸花撮影復習編_b0183370_15144668.jpg

【ビビッド】
彼岸花撮影復習編_b0183370_15152644.jpg

【ポートレート】
彼岸花撮影復習編_b0183370_15161156.jpg

【風景】
彼岸花撮影復習編_b0183370_15165921.jpg

■背景を選ぶ
同じ被写体でも背景の状況で印象が大きく違ってきます。花の撮影では背景の状況で画面から受ける印象は大きく違って見えます。日影などで背景が暗い場合は「赤と黒」のコントラストが強くなって優しさは消えますが力強さが強調されます。緑の背景では強いコントラストは付かないものの優しい印象が強調されます。
ポジションやアングルを変えて撮り比べるようにします。
彼岸花撮影復習編_b0183370_1517966.jpg

彼岸花撮影復習編_b0183370_15173513.jpg

【背景が日影で暗いと力強さが出ますが平凡にも見えます。緑の背景では環境も写りこんで臨場感も醸し出されます。】
■水辺も似合う
彼岸花は水辺も似合います。 秋は天高くと言われるようにこの日は快晴で澄み切った青空が広がっていました。日本庭園の水辺です。赤い彼岸花と草の緑が良いコントラストです。それだけですと良く見かける彼岸花の作品です。最も青空と雲が水面に反射するアングルを選んで撮っています。赤と緑に青と白も加わって初秋の彩りが生まれました。水面を対角線上にしたことも画面に奥行きを醸し出しています。
彼岸花撮影復習編_b0183370_15212524.jpg

【ニコンD7100 18-300㎜(195㎜) f/5.6 1/750秒 ISO450(オート) ホワイトバランス:晴天】
■造形と木漏れ日を撮る
森の中で彼岸花が咲きだしました。満開時は6枚の花びらの周囲を細い花序がお椀方で支えるような姿を見せます。他の花には見られない造形美です。咲き始めは花の数も花序も満足の形ではありませんが、明日は咲くとの期待感や動きを感じさせます。マイクロ105㎜でf/4の浅い被写界深度を利用して大きな緑のボケと丸ボケが入るアングルから撮っています。左側に方向性を感じるため花の中心部を右1/3の位置に配置しています。マイクロVR105㎜は円形絞りを採用しているために、f5.6までは比較的丸ボケが得られます。
彼岸花撮影復習編_b0183370_15252065.jpg

【ニコンD7100 マイクロVR105㎜ f/4 1/250秒 ISO450(オート) ホワイトバランス:晴天】
■水滴で遊ぶ
雨の日は花序に水滴が真珠のように付いてリズムが感じられる作品になります。この日は晴天ですので雨が作り出した水滴はありません。植物を管理している人に許可を得てから霧吹きで水滴を付けました。一本の花序に輝くように水滴が付いてリズムも出ていますマイクロレンズで撮っていますがピントを合せる位置に迷います。水滴の周囲にピントを合せたカットと水滴に写った彼岸花にピントを合せたカットとを撮り比べます。この作品は水滴の周囲に合せています。霧吹きを使うときのコツは距離を長めに撮って直接ではなく上に噴霧して水滴を付けます。大きさの違う水滴になります。
彼岸花撮影復習編_b0183370_1529843.jpg

【ニコンD7100 マイクロVR105㎜ f/2.8 1/500秒 ISO400(オート) ホワイトバランス:晴天】
■枯れた花や汚れの花を目立たなくする
花には写し頃があります。全ての花に言えることですが、彼岸花も同じで満開では蕾も無く写真には遅いようです。この日も情報では満開で咲き乱れが見事とのこと。行ってみると蕾は全くなく枯れた花が目立っていました。アップで撮るとそれらが目立ちます。広角レンズで全景を入れて彼岸花を小さく撮りこみました。
狙いめ通り、枯れた花が目立たなくなって群生の雰囲気が出たことや立ち木を配置したことで巾着田の特長も表現されています。ピクチャーコントロールをポートレートにしたことで質感も出ています。
彼岸花撮影復習編_b0183370_15352977.jpg

【ニコンD800 VR24-120㎜(24㎜) f/16 1/180秒 ISO2500(オート) ホワイトバランス:晴天】
by hanakanji | 2014-09-05 15:37 | Comments(0)